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Japanische Klassiker mit Furigana

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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

いやどうも、有難うございました」

東屋氏の語尾が掠れるように消えると、瞬間、緊張した、気不味い沈黙がやって来た。

東屋氏はそれとなく身を反らして数字をノートへ記入しながら、素早く引算をするらしい。私も戸外を見るような振りをして、大急ぎで暗算を始める。例の一九〇・九二〇瓩から深谷氏の五三・三四〇瓩を引くと……一三七・五八〇瓩――これが例の深谷氏の二人の同乗者の重量だ。ところが黒塚、洋吉両氏の合計は一一〇・六八〇瓩。同乗者の乗量より二六・九〇〇瓩も少い。――昨夜深谷氏と共にヨットへ乗っていたのは黒塚、洋吉の両氏ではない。私は何故か軽い失望を覚えて東屋氏を見た。すると彼は、黙ってノートをポケットへ仕舞って、静かに外の芝生のほうへ歩き出した。

大分風が強くなったと見えて、相変らず足の速い片雲の影が、芝生の上に慌だしい明暗を残して掠め去る。――何気ない風を装いながらも、あれで東屋氏も私と同じように、失望したに違いない。が、やがて彼は振り返ると、さも平気な様子で、

「如何ですか黒塚さん。白鮫号の泡の跡を御検分なさいますか?」

「もう、それにも及びますまい」

「そうですか。