Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ばちあたり

ばちあたり

山本 周五郎

Lesen Sie ばちあたり von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.391 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

敏夫はそこで思いだし笑いをし、細い頸で支えられた危なっかしい頭を左右に振った。

「あれには困ったな」と彼は独り言のように云った、「――一休さんみたいなことを云うなって、姉さんらしいや、ぼくは笑うのをがまんするのに汗をかきましたよ」

「敏夫」と私は呼びかけた。

「法光寺はどうします」と敏夫が云った、「石岡さんはあなたに会いたがってましたよ」

私は黙って歩いた。

「一時間が何万円にもつく体だって、啓さんは善人だなあ」と敏夫は云った、「ぼくは啓さんが大好きだ、室町の姉さんも好きだな、女のいいところと悪いところをそのまま出してる、世間態やみえにこだわってることを隠そうともしない、いいな、ぼくは姉さんも大好きだ」

私は立停って敏夫を見た。

「君はなにが云いたいんだ」と私は低い声で訊いた。

「なんにも」と敏夫は顔をそむけた、「ぼくには云いたいことなんかなにもありませんよ」

「本当にないのか」

「ありません」

「君はさっき、五番町にもわからないのかと云った」私は歩きだした、「かあさんが死んだらこうしてくれと、君に約束させた理由を私が知っている筈だ、という意味だろう、そうじゃないのか」