Japanische Klassiker mit Furigana
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みずぐるま
みずぐるま
山本 周五郎
Lesen Sie みずぐるま von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 54 Bildschirme
さぐるように彼を見、囁き声でこう訊いた。和次郎はむっとした顔で頷いた。
「ああ仰しゃった、すっかり聞いたよ」
「嘘なんです、大袈裟なんです」と若尾はせかせかと云った、「お師匠さまはとても大袈裟で、これっぽっちの事をこんなに凄いように仰しゃるんです、ほんとですのよお兄さま」
「すっかり聞いたよ」と和次郎は云った、「なにを聞いたかは云わないがね、私は恥ずかしくて顔が赤くなったよ」
若尾はじっと和次郎を見た。彼が本気かどうかを慥かめるように、――和次郎は硬い表情で黙っていた、彼は本気のようであった。すると若尾の(大きくみはった)眼から、大粒の涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。
「ごめんなさい、お兄さま」と若尾は涙のこぼれる眼で、和次郎をまともに見つめながら云った、「わたくしが悪うございました、もうこれから悪戯は致しません、堪忍して下さい」
いっぱいにみひらいた眼から、ぽろぽろ涙をこぼしながら、真正面に和次郎を見つめたまま、少しも視線を動かさないのである。姿勢も正しく、手を膝に置いて、上躰をしゃんと立てたなりであった。いかにもはっきりとした悪びれない態度だし、そう真正面から見つめられるので、和次郎のほうが眼をそらさずにいられなくなった。