Japanische Klassiker mit Furigana
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みずぐるま
みずぐるま
山本 周五郎
Lesen Sie みずぐるま von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 54 Bildschirme
十
「冗談じゃねえ、いきなり、なにを云うんだ」
「本当なのよ、蛙の子は蛙、あたしはやっぱり岩本一座の人間だわ、詳しいことは親方に会って話してよ、さあ伴れてって」若尾は涙のあふれている眼で笑った、「あたし宿無しになるところだったのよ」
十
岩本一座は両国広小路で興行していた。若尾は五日のあいだ一座にいて、弘田和次郎のために伴れ戻された。
一座には殆んど変化がなかった。雌犬の庄太夫が死んで、あのとき庄太夫の産んだ仔犬が母の名を継ぎ、やはり芸を仕込まれて小菊太夫に使われていた。手品の操太夫がいなくなり、代りに美千太夫という若い太夫が入っていた。――一座の人たちは若尾を迎えて歓声をあげた。みんな親身の妹が帰りでもしたようによろこんだが、親方はひどく怒り、若尾が事情をすっかり話すまではこっちを見ようともしなかった。そしてなにもかも(深江という人のことまで)うちあけ、和次郎のために邸にはいられないのだ、ということを知ると、ようやく「そんなら此処にいろ」と云った。若尾のほうは見ないで、火のついている煙管をみつめたままそう云って、ながいことなにか考えているようであった。