Japanische Klassiker mit Furigana
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みずぐるま
みずぐるま
山本 周五郎
Lesen Sie みずぐるま von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 54 Bildschirme
彼は別れるまえに、なにか困ることがあったら相談してくれ、と繰り返し云った。
若尾は数日のあいだ気が重かった。谷口修理は口に出しては云わなかったが、若尾が岩本一座にいたのを知っているらしい。自分が弘田を伴れていった、――というのは、若尾の舞台をみせにという意味であろう。和次郎はどうしてそのことを注意してくれなかったのか、谷口修理という人間が江戸にいること、その人間はかつて若尾の舞台を見ているということを、和次郎は忘れたのであろうか。
「手紙で訊いてみよう」若尾は自分に云った、「どういうふうに応対したらいいか、教えてもらうほうがいいかもしれないわ」
けれども手紙は出さなかった。二百五十里も離れているのに、なにも和次郎に心配させることはない、と思ったからである。谷口修理は和次郎の古い友人だといったし、見たところはへんににやけているが、そう悪い人間でもないらしい。とにかく気をつけて、なりゆきをみてからにしよう。若尾はそう思った。
十日ばかりすると修理から呼び出しの手紙がきた。若尾はでかけていった。中邸からはほんのひと跨ぎの、木挽町五丁目の河岸に森田座がある。