Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みずぐるま
みずぐるま
山本 周五郎
Lesen Sie みずぐるま von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 54 Bildschirme
と修理は云った、「――まえにそんな事のあったあとで、またしても、妻の前身がじつは軽業一座の女太夫だった、などということがわかったとしたら」
若尾はぞっと身ぶるいをした。
「そこをよく考えて下さい」と修理は続けた、「これが私の場合なら問題ではない。私くらいの身分なら、人はそんなことにまで関心はもたない。だが次席家老となるとべつです、まして深江という人の事があるから、周囲の眼はいっそう厳しいでしょう、――若尾さん、私の云うことが間違っていると思いますか」
「わたくしにはわかりません、考えてみますわ」若尾はふるえながら云った、「あなたの仰しゃるとおりかもしれませんけれど、でもわたくし、よく考えてみますわ」
修理は喉の詰ったような声で、なにか云いかけながら、ふと若尾の肩へ手をまわそうとした。きわめて自然な、こだわりのない動作であったが、若尾は傷にでもふれられたようにびくりとし、すばやくその手を避けて脇へどいた。
「わたくし帰ります」と若尾は云った、「――失礼いたします」
修理は呼びとめた。けれども若尾はもう走りだし、闇の中で幾たびか躓きながら、自分の住居のほうへ駆け去った。