Japanische Klassiker mit Furigana
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やぶからし
やぶからし
山本 周五郎
Lesen Sie やぶからし von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.476 Zeichen · 44 Bildschirme
などと仰しゃっていた。私の謡は腹ごなしなのだから、というのがお口癖で、それは上達しないことの云いわけとも聞えたが、それならわたくしが鼓をならってお相手をしよう、と思いついたのであった。
常盤家では日常の躾け以外に、稽古ごとなどはなにもしなかったし、わたくし自身あまりきようではないので、稽古を始めてから半年くらい経ったとき、自分でもうんざりして、やめてしまおうかと思った。けれどもおとうさまは頼みにしていらしったようすで、なかなか筋がいい、などとお褒めになり、もう一と辛抱してみるようにと仰しゃるので、気をとり直して稽古を続けた。そうしてさらに半年ほどすると、おとうさまがむりに望まれるので、あぶなっかしいお相手をするようになり、ずいぶんおかしいことがあったのだが、――それは、久弥さまを良人に迎えてからも同じことで、いまでも謡のたびに、いちどや二度笑わないことはないくらいである。
十八になった年の春、わたくしはおかあさまに、養子を貰ってはどうかと云った。笠松図書という方は、この細貝家から婿入りをした人で、おとうさまの弟であるが、そのとき男ばかり四人のお子たちがいた。