Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やぶからし

やぶからし

山本 周五郎

Lesen Sie やぶからし von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.476 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

と云いかけて、おかあさまは細いきれいな声でお笑いになった、「――あなたは十八にもなって、おかしな人だこと」

なにが「おかしい」のかわからなかったが、わたくしも赤くなりながら笑った。

数日のちの或る夜、わたくしはおとうさまの居間へ呼ばれた。おかあさまもごいっしょで、話は婿縁組のことであった。

「おまえは私たちの娘だ」とおとうさまは云われた、「私たちのことを実の父母だと、自分で云った筈ではないか、そうだろう」

「はい」とわたくしは頷いた。

「私たちもおまえを実の娘だと思っているし、実の娘に婿を取るのは当然ではないか」とおとうさまは珍しく強い調子で仰しゃった、「人間には好き嫌いがあるから、いちがいに押しつけるつもりはないが、私は自分の跡継ぎとしても、またおまえの良人としてもわるくない男だと思う、二、三日うちに招くから、ともかく自分の眼で見てみるがいい」

そして、その男も謡が好きなのだ、と云ってお笑いになった。

中三日おいて、佐波久弥さまが夕餉に招かれて来た。その日おかあさまは、わたくしに掛りきりで、風呂へもいっしょにはいり、髪結いや化粧や、着つけが終るまでそばをはなれず、うるさいほどあれこれと注文を付けた。