Japanische Klassiker mit Furigana
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わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
Lesen Sie わか紫 (わかむらさき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.708 Zeichen · 75 Bildschirme
森々と樹の茂った、お城の森の奥深く、貴女様、高く上りますのでござりますが、またこの石段がこわれごわれで、角の欠けた工合、苔の蒸しました塩梅、まるで、松の鱗が、蛇の幹を攀じますようで、上に御堂、これも大破。
お鶴が石壇にかかりますと、もう遥か奥に、鏡が一面、きらきらと蒼い月のように光ります前に、白丁を着た姿が見えたといいます。
境内は常磐樹のしとりで水を打ったかと思うばかり、塵一っ葉もなしに、神寂びまして、土の香がプンとする、階段の許まで参りますと、向うでは、待っていたという形。
希代ではござりませんか。
神職は留守じゃが、身が預る、と申したのが、ぼやっと、法螺の貝を吹きますような、籠った音声。鼻から頤まで、馬づらにだぶだぶした、口の長い、顔の大きな、脊は四尺にも足りぬ小さな神官でござりましたそうな。ええ、夫人。」と陰気になる。
夫人は寂しい顔して、袖を掻合わせて、しばらくして、
「まあ、厭ねえ。」
「でその、廊下から屈んで乗り出し、下から跪いて出しました娘の貢物を受け取つて、高く頂き、よたりと背後むきになりますると、腰を振ってひょこひょこと、棟から操の糸で釣るされたような足取りで、煤けた板戸の罅破れた形の口へ消えますと、やがて、お三方を据えて、またよたよたと持って出ましたのが、前申上げました、大奉書で。