Japanische Klassiker mit Furigana
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わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
Lesen Sie わか紫 (わかむらさき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.708 Zeichen · 75 Bildschirme
夫人はただかつてそれが、兇賊の持物であったことを知って、ために不気味に思ったのである。
しばらく熟と見守ったが、
「ああ、悪かった、雲はかかっても晴れれば月、私のいったのはそうではない。考えれば、旦那の御病気、肺病はうつるもの、うつるといってそれを厭って、一度お持ちなすったものを、人がもし嫌ったら、私の心はどんなだろう。
たとえ騙賊でも、盗賊でも、お前に取っては大事な御主人。
私が悪うござんした。」
としみじみいって、燈を躱うた身体を傍へずらしながら、その一ペエジを差覗いて、
「おや。」
「…………」
「紫の鉛筆で、私の座敷の目星いものを取っておいで、と書いたわねえ。」
「あの、その人は、この家の二階に泊っていたんです。」
「そうだってね。」
「そしてどこよりか、念にかけていたんですって。でも貴女が、ちっともお騒ぎなさいませんから、此室で仕事が出来なくッて、それで、あの尋常の方なら可いけれど、恐いお役人様なんで、手が出せなかったようで口惜いからッて、これを私に書きましたの。」
「そのために来たのかい。まあ、」
と今更見詰めながら、
「何と思って、ええ、厭だっていわれなかったかい。