Japanische Klassiker mit Furigana
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わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
Lesen Sie わか紫 (わかむらさき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.708 Zeichen · 75 Bildschirme
此家の番頭に持たせて、熱海の警察へ直ぐに届けろッて、いいつかって来たんだがね。
地震は盗賊の巧だから、早く出口々々へ非常線というものを張って下さい、魚見岬の下あたりには一団り居るだろう、手強い奴、と思うから、十分の手当をして、とちゃんとお認めなすったの。」
わなわなとお鶴は震えた。
「揺れもどうもしないけれど、あんまり騒ぎが酷かったから、あんな、穴蔵のような中にいらっしゃるんだから、ちょいと見舞に行った時、あの、お前が忍んだ時。」
夫人はこの時一段低い、廊下の向うの、新しい欄干から階子段を伝うて下りた。
下り切った風呂の口と、上とに電燈はついているが、段は中程にまた一個、燈を要するだけ長い。
ここを下りるは、肺病患者より他にはなく、病人は、また大抵、風呂に長時間籠るので、夜は殊にほとんど通うものがない、といっても可いので。
木は新しいが、陰々と、奈落に一足ずつ踏込むような、段階子を辿る辿る、一段ごとに底の方は、深く、細く、次第に狭んで、足も心も引入れられそう。
されば、髪飾、絹の彩、色ある姿はその折から、風呂の口に吸い込まれて、裳は湯気に呑まるるのである。