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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

「なんや、ここに居てたんかいな。ああ、びっくりした。ひとの悪い子やぜ、ほんまに」

「おまはんは鼾かくさかい、いやや言うとるぜ。お祖父やんとこの方がええなあ、君枝」

「そんな殺生な――」

言いながら、表へ出ると、日の丸湯で湯槽の湯を抜いて床を洗っている音がザアザアと聴えて来て、河童路地もすっかり更けていた。

甘酒屋の婆さんが飼うている※はきちがいだろうか、夜も明けぬのにだしぬけに頓狂な鳴声を立てた。

その声をききながら、〆団治がもとの蒲団へもぐり込もうとすると、足がひやりとした。

見ると、寝小便の跡があった。

なるほど、それで逃げてかえったのかと、〆団治はふと他吉の喜んでいた顔を想った。

6

ある夜おそく、折箱の職人の家に間借りしている活動写真館の弁士がにやにや笑いながらはいって来て、どす濁った声で言うのには、

「他あやん、あんたこの間新世界で三味線をもった五十くらいの婆さんを乗せなかったかね」

「なんや、刑事みたいなものの言い様するねんなあ、気色のわるい。玉堂はん、眼鏡かけてる思て威張りなや」

「ははは……」

左手で太いセルロイドの眼鏡を突きあげながら、橘玉堂はさむらいめいた笑い声を立てて、