Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
「――なにが僕が刑事なもんか。僕は今日は仲人ですよ」
「仲人……? そら、お門ちがいや、うちの孫はまだ十やさかいな、おまはん仲人したかったら、散髪屋のおばはんとこイ行きなはれ」
「聴こえるがな、聴こえたら、また朝日軒のおばはん頭痛を起しまっせ」
広島生れの玉堂は下手な大阪訛りで言って、ちょっと赧くなった。
最近、朝日軒のおたかは頭痛を起して三日寝こんでいた。
日の丸湯の向いのミヤケ薬局はもう息子の儀助の代になっていたが、儀助の妻が三人の子供を残して死ぬと、途端におたかは駈けつけて、葬式万端の手つだいをし、はた目もおかしいほどであった。
おくやみを述べるのにも、なにかいそいそとしていた。
その後、彼女はなにかと病気の口実を設けて、薬の調合をして貰いに行った。
儀助は口髭を生やし、敬吉と同じように町内会の幹事をしていた。なお、敬吉と同い歳の四十二歳で、義枝と三つちがい、その点でも釣合っていると、おたかは思い、義枝がいきなり三人の子供の母親になれば、どうなるかと、義枝のちいさい身体をひそかに観察したりした。
かねがねおたかは、将棋好きの敬吉が商売を留守にしてはいけぬと思い、店の前に縁台をだすことを禁じていたが、やがて夏が来ると、自分から縁台を持ち出した。