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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

羅宇しかえ屋の婆さんが、夜女湯で一銭天婦羅屋の種吉の女房に語っているのを、他吉が男湯ではっきりきいたところによると、オトラは君枝が学校からひけて帰って来るのを、路地の入口で待ちうけて、一緒になかへはいり、飯を食べさせたり、千日前へ連れて行ったりして、他吉の帰る間際まで、君枝の相手になっていたということだった。

「今日お前千日前へ行ったんか」

他吉は君枝のおなかを洗ってやりながら、きくと、

「行った」

「千日前のどこイ行ってん?」

「楽天地いうとこイ行った」

「おもろかったか」

「うん、おもろかったぜ。おばちゃん泣いたはった」

「なんぜや」

「芝居がかわいそうや言うて、泣いたはった。――ほんまに、おもろかったぜ」

顎の下をシャボンをつけて、洗われながら、君枝は言った。

他吉は手拭にぐっと力を入れて、

「なんぜいままで黙ってたんや?」

「そない言うたかテ……」

「おばちゃんが黙ってエ言うたんやろ?」

君枝はうなずいた。

「仕様のない婆やな」

「痛い、そないこすったら痛い!」

君枝が声をあげたので、他吉は手をゆるめて、オトラのことは成行きに任すより仕方がないと思った。

そして、君枝が折角オトラになついて、オトラを慕っているものを、むげに引きはなしてしまうのも可哀想だと、翌る朝またオトラが飯をたきに来た時はもう他吉はきつい言葉を吐かなかっ