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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

た。

オトラも要領がよく、飯をたいてお櫃にうつす前に、仏壇にそなえることも忘れなかった。君枝を学校へも送って行った。

他吉は出て行く時、

「おばはん、君枝をたのんどきまっせ」

と、言った。

「よろしおま、よろしおま」

オトラは眼をかがやかし、今日も活動小屋を休む肚をきめた。

「しかし、夜さりはわいの戻って来るまえに、帰ってもらうぜ。近所の手前もあるさかいな」

他吉は相手の顔を見ずに言った。したがってオトラがどんな顔をしたか、判らなかった。

そんことが五日続いた。

朝日軒のおたかはかねがね近所の誰が嫁を貰っても、また、嫁いでも、それを見ききした日は必らず頭痛を起すという厄介な習慣をもっていたが、安の定オトラのことで頭痛を起して、二日ねこんだ。

玉堂は可哀想に仲人口をきいたというので、おたかの心性をわるくし、朝日軒の奥座敷へ行っても、あまり良い顔をされなかった。

7

オトラがいよいよ明日あたり御蔵跡から自分の荷物をはこんで来るという日のことである。

さすがに他吉は心がそわついて、いつもより早く俥をひきあげて、夕方まえに路地へ戻って来ると、三味線の音がきこえていた。