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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

「高い山から

谷底見れば

瓜や茄子の

……………」

三味線に合わせて歌っているのが君枝だとわかると、他吉はいきなり家の中へ飛びこんで、オトラをなぐりつけた。

「この子を芸者にするつもりか。何ちゅうことをさらしやがんねん」

オトラは色をかえた。

「ああ痛ア。無茶しなはんな。三味線教(おせ)るのがなにがいきまへんねん?」

眼を三角にして食って掛り、

「――芸は身を助けるいうこと、あんた知らんのんか。斯(こ)やって、ちゃんと三味を教(おせ)とけば、この子が大きなって、いざと言うときに……」

「……芸者かヤトナになれる言うのか。阿呆! あんぽんたん」

他吉はまるで火を吹いた。

「――そんなへなちょこな考えでいさらしたんか。ええか、この子はな、痩せても枯れても、ベンゲットの他あやんの孫やぞ。そんなことせいでも、立派にやって行けるように、わいが育ててやる。もう、お前みたいな情けない奴に、この子のことは任せて置けん。出て行ってくれ。出て行け! 暗うなってからやと夜逃げと間違えられるぜ。明るいうちに荷物もって出て行ってもらおか」

「ああ、出て行くとも」

オトラは荷物をまとめて本当に出て行った。