Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

わたしのしょうがつ

わたしの正月

中野 鈴子

Lesen Sie わたしの正月 (わたしのしょうがつ) von 中野 鈴子 (なかのすずこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 666 Zeichen · 2 Bildschirme

Aozora Bunko

今日は一月一日

今日は正月だ

明けましておめでとうって

たとえのようにいうけれど

わたしらはそんなどころではないわ

年がら年じゅう米つくるが商売なのに

一片の雑煮もない

毎年ただ一本きていた

他国からの年賀状も今年は来ない

来るものは町の掛取りや

残りの年ぐ米を取りに来る地主の番頭だ

台所はポチャンポチャンと雨がもる

炭は買えず もみがらをぶすぶす燃やす

くすぶり火が家一ぱいにひろがる

七十五の婆はあつい汁もあたらず

枯木のような背中を曲げて

水鼻をすすり目をつむっている

十一の弟と七つの妹は

一生けんめい

一銭にもならない繩なうている

賑やかなのは寺の鐘ばかり

あさ早うからやかましい

いくら鐘たたいても

わたしらもうまいる気はせんわ

いくらナミアミダブツ唱いても

飢じい腹はふくれはせんわい

婆に軽いふとんの一枚も着せられないわ

子供のひびあかぎれが快うなりもせんわ

夏のさかりでも白足袋はいて

魚喰って何が地獄じゃ 極楽じゃ

何が持ちつ持たれつじゃ

わたしらだとて一人前の人間だ

地主や坊主ばかりが

うまいもの喰って いい気持ちして

わたしらを家来あつかいにして

その田圃をわたしらに持たせてみろ

みんなの持ち物をおんなじにしてみろ