Japanische Klassiker mit Furigana
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme
『象牙菊花倶楽部※(疑問符感嘆符、1-8-77)……』清水は顔色を変えてとび上がった。
『違いない!――そ、それを西村さん。あなたは御存知なのですか!……』
『ええ。多少、思い当ることがないでもありません――いや実は大ありなのですが――清水君。こいつァ相手が悪い……が清水君。君は象牙の牌は長崎で売ってしまって、今は持っていらっしゃらないのでしょう――それに気のつかない象牙菊花倶楽部の連中ではなかろうに――それに君は胡に欺されて貰ったと仰言る――しかもその支那人はすでに殺されてしまった……云わば今の君には全く何の係り合いがないも同然だ。それを承知しながら君の命を取ろうって云うのなら、なんぼなんでもあんまり残酷すぎるじゃありませんか――少くとも、君の仰言られた、「不正を悪くむ紳士方」にはふさわしくない遣り口ですよ……清水君、君は何か他に、僕には打ち明けなかったことで、あくまでも倶楽部の奴等から仇をされる様な覚えはないのですか。』
と、西村は名探偵の鋭い口調で、さぐりを入れる様に云った。
『ありません。』清水はきっぱりと云った。
『ありませんねえ。あなたに打ち明けないって――どうせ今夜中には殺されると覚悟した僕です。