Japanische Klassiker mit Furigana
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme
『君はその時分は一方ならぬ映画ファンで、何時でも僕に嘆いていたのを、僕はよく憶えていますよ。……今時の映画と来たら、単なる機械製産品以外の何者でもあり得ない。それに映画批評家たちの眼目とする映画の価値はひたすらカメラワアクに依って決定されるスピード第一、アイモの移動、云々。映画の内容は? 内容とは筋ではない、映画が若しも如何なる意味に於てか芸術で有り得るとするならば、その芸術自身の姿だが、そんなものは全く蔑にされ忘れられてしまっているではないか、と。……僕は常に君のそう云う意見に賛成していました。それで僕はその後いろいろなお互の事情で会いそびれてしまってからも、この不幸な芸術の正系を守るためにマキアベリイ理想映画撮影所を建設し度いと心を砕いていました。ところが、喜んで下さい、今度到頭父が亡くなって、その遺産三千万円と云うものが全部僕のものとなったのですよ。僕は自分の財産の銀行利息だけでマキアベリイ撮影所を経営して行くことが出来るのです。つまり、一年に百万乃至百五十万円の費用をかけて、丸損したところで、僕の家産の傾く憂は更にないわけです。今や、我がマキアベリイ映画にあらゆる興業政策を無視しても差し閊えないのです。