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Japanische Klassiker mit Furigana

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アンドロギュノスのちすじ

アンドロギュノスの裔

渡辺 温

Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

イワンは兄の親切に満足して、少しの苦労もありませんでした。

晩になって、晩御飯がすむとイワンは直ぐに眠くなりました。すると、イワンの兄はイワンに寝仕度をさせながら云いました。

『お休みよ、イワン。楽しい夢を見たらば、憶えていて、明日の朝兄さんにも聞かしておくれ。――』

イワンの兄は、裸になったイワンの胸から三角に細い銀鎖を引っぱってその端にさがっている銀の鍵を見ると、さて決まったように、こう云うのでありました。

『イワンや、金貨一袋とこの鍵とを取り換えてはくれまいか。』

『金貨一袋だって?――でも、だめだよ。』とイワンは答えました。

『畑も半分上げよう。』

『だめだよ。』

『屋敷を半分上げてもいいのだよ。』

『だめ、だめ!……』イワンはひどく困ってしまうのでした。『お父さんが死ぬ時に誰にもこの鍵をやってはいけないと云ったんだもの。』

『本当にそうだっけ!……いいよ、いいよ、大切にしてしまってお置き。』

だが、兄は毎晩々々必ず同じ言葉を繰り返してイワンを弱らせました。

3

イワンの兄は、イワンが寝てしまってから、イワンなぞの知らない悪い仲間と一緒に夜遊びに行って、夜明けになって帰って来ました。