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Japanische Klassiker mit Furigana

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アンドロギュノスのちすじ

アンドロギュノスの裔

渡辺 温

Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

「十五年?――そんなに経ってしまったのでは、もうまるでおもかげさえもおぼえてはいらっしゃらないかも知れませんね。……いや、実は、あんまりはっきりとしたことを最初からお受合いするわけにもまいらないのですが、少しばかり友達から聞かされましたので……」

「とおっしゃいますと――あの、兄らしいものでも、どこかにいるのでございましょうかしら?」

「まあ、そうなのです。詳しいことを申し上げないとわかりませんが、……大分へんな話なのですよ。それできっと御信用なさらないだろうと思うのですけど。」

「信用いたしますわ……どんなことだって。」

「実は、お驚きになってはいけませんよ、あなたのお兄さんはずっと前からあなたの芝居をあなたとは知らずに始終観に行っていたのです……」

「まあ!……でも、無理もありませんわ。十五年もあわずにいて、しかも舞台顔で、名前までまるっきり変って別の名前なのでございますからね。それに兄だって、まさか私がこんな職業の女になっていようとは、それこそ夢にも考えてみもしませんでしたろうし……」

「ええ、全くそうなのです。兄さんは、あなたと別れて以来、いい具合にもそんなに不仕合せな目にも会わず、殊にこの頃ではお伽噺の作家として割合に評判もよくなって、殆ど不自由なく気ままな暮しをしていますが、やはり一日だってあなたの身の上