Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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アンドロギュノスのちすじ

アンドロギュノスの裔

渡辺 温

Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

「いやいや、違います。そうではありません。……困ったことというのは、そのえらばれた友達が、よせばいいのに、といったところでいつかは知れるには相違ないことなのですが、あなたへお話する前に、責任を感じたものとみえて、私立探偵に頼んで、あなたの身元をしらべ、その序に兄さんの方も調べてみてもらったところが、図らずもこの二人は元々一本の幹から出たもので、兄さんはどうやらあなたの真実の兄であるらしいということが判ったのです。――さあ、そうなってみると、その友達は途方に暮れてしまいました。なぜといってもしそんなことをうっかり兄さんに打ち明けようものなら、兄さんは失望のあまり、人生を呪って必ずや我身を亡ぼしてしまうに違いないと思ったからです。いっそ、何もわからずに、知らないまんまで、兄と妹とがやみくもにうまく結婚してしまえば何事もなかったろうが、と今更悔んでも追っつきません。到頭その友達は可哀相なことにも、自責の念に堪えかねて、或る夜のことどこかへ逃亡してそれっきり行方も判らなくなってしまったような始末です。」

「…………」

「けれども、一旦私立探偵がそうと嗅ぎつけた以上、たといその友達が姿をくらましたにせよ、そんなことをすればするだけ、いつまでもその秘密が洩れないで済む道理がありません。