Japanische Klassiker mit Furigana
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インドラのあみ
インドラの網
Lesen Sie インドラの網 (インドラのあみ) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.369 Zeichen · 49 Bildschirme
童子の母さまは、一生けん命機を織って、塾料や小遣いやらを拵らえてお送りなさいました。
冬が近くて、天山はもうまっ白になり、桑の葉が黄いろに枯れてカサカサ落ちました頃、ある日のこと、童子が俄かに帰っておいでです。母さまが窓から目敏く見付けて出て行かれました。
須利耶さまは知らないふりで写経を続けておいでです。
(まあお前は今ごろどうしたのです。)
(私、もうお母さんと一緒に働らこうと思います。勉強している暇はないんです。)
母さまは、須利耶さまのほうに気兼ねしながら申されました。
(お前はまたそんなおとなのようなことを云って、仕方ないではありませんか。早く帰って勉強して、立派になって、みんなの為にならないとなりません。)
(だっておっかさん。おっかさんの手はそんなにガサガサしているのでしょう。それだのに私の手はこんななんでしょう。)
(そんなことをお前が云わなくてもいいのです。誰でも年を老れば手は荒れます。そんなことより、早く帰って勉強をなさい。お前の立派になることばかり私には楽みなんだから。お父さんがお聞きになると叱られますよ。ね。さあ、おいで。)と斯う申されます。