Japanische Klassiker mit Furigana
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インドラのあみ
インドラの網
Lesen Sie インドラの網 (インドラのあみ) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.369 Zeichen · 49 Bildschirme
高い処で風がどんどん吹きはじめ雲はだんだん融けていっていつかすっかり明るくなり、太陽は少しの午睡のあとのようにどこか青くぼんやりかすんではいますがたしかにかがやく五月のひるすぎを拵えました。
青い上着の園丁が、唐檜の中から、またいそがしく出て来ます。
「お折角ですね、いい天気になりました。もう一つお願いしたいんですがね。」
「何ですか。」
「これですよ。」若い園丁は少し顔を赤くしながら上着のかくしから角柄の西洋剃刀を取り出します。
洋傘直しはそれを受け取って開いて刃をよく改めます。
「これはどこでお買いになりました。」
「貰ったんですよ。」
「研ぎますか。」
「ええ。」
「それじゃ研いでおきましょう。」
「すぐ来ますからね、じきに三時のやすみです。」園丁は笑って光ってまた唐檜の中にはいります。
太陽はいまはすっかり午睡のあとの光のもやを払いましたので山脈も青くかがやき、さっきまで雲にまぎれてわからなかった雪の死火山もはっきり土耳古玉のそらに浮きあがりました。
洋傘直しは引き出しから合せ砥を出し一寸水をかけ黒い滑らかな石でしずかに練りはじめます。それからパチッと石をとります。