Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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インドラのあみ

インドラの網

宮沢 賢治

Lesen Sie インドラの網 (インドラのあみ) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.369 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「ええ、全く立派です。赤い花は風で動いている時よりもじっとしている時のほうがいいようですね。」

「そうです。そうです。そして一寸あいつをごらんなさい。ね。そら、その黄いろの隣りのあいつです。」

「あの小さな白いのですか。」

「そうです、あれは此処では一番大切なのです。まあしばらくじっと見詰めてごらんなさい。どうです、形のいいことは一等でしょう。」

洋傘直しはしばらくその花に見入ります。そしてだまってしまいます。

「ずいぶん寂かな緑の柄でしょう。風にゆらいで微かに光っているようです。いかにもその柄が風に靱っているようです。けれども実は少しも動いておりません。それにあの白い小さな花は何か不思議な合図を空に送っているようにあなたには思われませんか。」

洋傘直しはいきなり高く叫びます。

「ああ、そうです、そうです、見えました。

けれども何だか空のひばりの羽の動かしようが、いや鳴きようが、さっきと調子をちがえてきたではありませんか。」

「そうでしょうとも、それですから、ごらんなさい。あの花の盃の中からぎらぎら光ってすきとおる蒸気が丁度水へ砂糖を溶したときのようにユラユラユラユラ空へ昇って行くでしょう。