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Japanische Klassiker mit Furigana

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カインのまつえい

カインの末裔 クララの出家

有島 武郎

Lesen Sie カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.864 Zeichen · 93 Bildschirme

Aozora Bunko

当惑した野獣のようで、同時に何所か奸譎い大きな眼が太い眉の下でぎろぎろと光っていた。それが仁右衛門だった。彼れは与十の妻を見ると一寸ほほえましい気分になって、

「おっかあ、火種べあったらちょっぴり分けてくれずに」

といった。与十の妻は犬に出遇った猫のような敵意と落着きを以て彼れを見た。そして見つめたままで黙っていた。

仁右衛門は脂のつまった大きな眼を手の甲で子供らしくこすりながら、

「俺らあすこの小屋さ来たもんだのし。乞食ではねえだよ」

といってにこにこした。罪のない顔になった。与十の妻は黙って小屋に引きかえしたが、真暗な小屋の中に臥乱れた子供を乗りこえ乗りこえ囲炉裡の所に行って粗朶を一本提げて出て来た。仁右衛門は受取ると、口をふくらましてそれを吹いた。そして何か一言二言話しあって小屋の方に帰って行った。

この日も昨夜の風は吹き落ちていなかった。空は隅から隅まで底気味悪く晴れ渡っていた。そのために風は地面にばかり吹いているように見えた。佐藤の畑はとにかく秋耕をすましていたのに、それに隣った仁右衛門の畑は見渡す限りかまどがえしとみずひきとあかざととびつかとで茫々としていた。