Japanische Klassiker mit Furigana
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チェーホフのたんぺんについて
カシタンカ・ねむい 他七篇
神西 清
Lesen Sie カシタンカ・ねむい 他七篇 (チェーホフのたんぺんについて) von 神西 清 (じんざいきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.418 Zeichen · 92 Bildschirme
メランコリックな人間に限って陽気なことを書くし、陽気な連中は却って悲哀を追い求める。ところで僕は陽気な男だ。少くもこれまで三十年の生涯を面白可笑しく送って来た男だ――そんな意味のことを、彼は小説道の上でいわば弟子どころに当るアヴィーロヴァ夫人に書いている(一八九七年十月)。
これは些か瘠我慢が勝っているかも知れない。少くも例の快活な冗談口の一種には相違ない。だがそうした冗談口が屡反語的に真相を明している実例をわれわれは既に十分見て来たはずだ。またわれわれは、彼には非常な快活さと非常な暗鬱さとが刻々に交替する癖があった、という友人たちの証言にも接している。この「陽気」さを見すごしては、おそらくどんなチェーホフ論も片輪になるほかはあるまい。
チェーホフの笑い、あるいはユーモア。――恐らくこれほどしっくりした題目は他にあまり類例がないだろう。レクラム文庫にはたしか『フモレスケン・ウント・ザティーレン』と題する相当分厚なチェーホフ短篇集があったと記憶する。おそらくよその国には見られぬこの破格の優遇も、却って文庫編輯者の並々ならぬ達見を思わせるほどだ。ところが飜って考えると、およそチェーホフの笑いほどに世の評伝家から不当な取扱いを受けているものも、あまり類例がないと言うこともできそうである。