Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.767 Zeichen · 54 Bildschirme
膝までザブザブ水の中へはいって、岩と岩の間へ葦簀を張って、その裾のほうを石でしっかりととめて行った。
中瀬のところは流れが早くてたびたび失敗したが、いくども根気よくやり直してどうにかやりこなし、魚を追い詰められるように、岸のところへ古い蛇籠と木の枝を沈めてのようなものをつくった。
二時間ばかりかかって、簗を張り終えると、ずっと川上から流れの中へ入って、真剣な顔つきをしながら、そろそろと魚を追いおろしにかかった。
夕靄がおりるころになって、四人が小屋へ帰ってきた。
「お帰りなさい。たいへんだったでしょう」
キャラコさんは、小屋の入口まで走り出してひとつずつ鉄槌を受け取ると、四人を清水のわいているところへ連れて行った。
「顔と手を洗って、ちょうだい」
四人はよわよわしい反抗の身ぶりを示したが、ニコニコ笑いながら立っているキャラコさんのなんともいえない愛想のいいようすを見ると、抵抗し切れなくなったとみえて、観念したようにしぶしぶ顔を洗いはじめた。
大男の原田氏は、狼狽のあまり、たったひとつしかないキャラコさんの石鹸を手からすべらせて、どこかへなくしてしまった。