Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.819 Zeichen · 36 Bildschirme
「ええ。……でも、パパは、ボクが嫌いなの。ボクを見たくないんだって、ママがそういいました」
「おかしいわね。じゃ、なぜ、パパのお使いがボクさんを連れにくるのかしら」
「それはね、ボクを連れて行って、もっと苛めるためなんですって……」
(なんという、ひどい嘘をつくのだろう!)
あたしは、呆気にとられて、なんともいえなくなってしまいました。
ボクさん、あわれなようすで、しょんぼりと両膝を抱きながら、
「そんな話、よしましょう。……ボク、もう、ひとりでいることは平気です。ボク、淋しくなると、星の世界へ遊びにゆきますからなんでもないの」
「星の世界へ……」
なんのことだかわからないので、あたしが、たずねかえしました。
「星の世界、って、なんのこと?」
すると、ボクさんは、あたしの手をとって、眼をつぶりながら、
「……ほら、こんなふうに、ギュッと眼をつぶって、息をいっぱいに吸い込むの。……そして、ボクの身体が、空気より軽くなったんだと思うの。……すると、ボクの身体がフワリと窓からぬけ出して、ズンズン空へあがってゆくの。……ボクのすぐそばで、風が冷たくなったり、星がランプのように大きくなったりするから、ボクがいま空へのぼっているんだということがよくわかるの。