Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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シグナルとシグナレス

セロ弾きのゴーシュ

宮沢 賢治

Lesen Sie セロ弾きのゴーシュ (シグナルとシグナレス) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.296 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

ああ情けない、もう世の中はみだれてしまった。ああもうおしまいだ。なさけない、メリケン国のエジソンさまもこのあさましい世界をお見すてなされたか。オンオンオンオン、ゴゴンゴーゴーゴゴンゴー」

風はますます吹きつのり、西の空が変に白くぼんやりなって、どうもあやしいと思っているうちに、チラチラチラチラとうとう雪がやって参りました。

シグナルは力を落として青白く立ち、そっとよこ眼でやさしいシグナレスの方を見ました。シグナレスはしくしく泣きながら、ちょうどやって来る二時の汽車を迎えるためにしょんぼりと腕をさげ、そのいじらしいなで肩はかすかにかすかにふるえておりました。空では風がフイウ、涙を知らない電信柱どもはゴゴンゴーゴーゴゴンゴーゴー。

さあ今度は夜ですよ。シグナルはしょんぼり立っておりました。

月の光が青白く雲を照らしています。雲はこうこうと光ります。そこにはすきとおって小さな紅火や青の火をうかべました。しいんとしています。山脈は若い白熊の貴族の屍体のようにしずかに白く横たわり、遠くの遠くを、ひるまの風のなごりがヒュウと鳴って通りました。それでもじつにしずかです。