Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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シグナルとシグナレス

セロ弾きのゴーシュ

宮沢 賢治

Lesen Sie セロ弾きのゴーシュ (シグナルとシグナレス) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.296 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

「あら、なんだかまわりがぼんやり青白くなってきましたわ」

「夜が明けるのでしょうか。いやはてな。おお立派だ。あなたの顔がはっきり見える」

「あなたもよ」

「ええ、とうとう、僕たち二人きりですね」

「まあ、青白い火が燃えてますわ。まあ地面と海も。けど熱くないわ」

「ここは空ですよ。これは星の中の霧の火ですよ。僕たちのねがいがかなったんです。ああ、さんたまりや」

「ああ」

「地球は遠いですね」

「ええ」

「地球はどっちの方でしょう。あたりいちめんの星、どこがどこかもうわからない。あの僕のブッキリコはどうしたろう。あいつは本当はかあいそうですね」

「ええ、まあ、火が少し白くなったわ、せわしく燃えますわ」

「きっと今秋ですね。そしてあの倉庫の屋根も親切でしたね」

「それは親切とも」いきなり太い声がしました。気がついてみると、ああ、二人ともいっしょに夢を見ていたのでした。いつか霧がはれてそら一めんの星が、青や橙やせわしくせわしくまたたき、向こうにはまっ黒な倉庫の屋根が笑いながら立っておりました。

二人はまたほっと小さな息をしました。