Japanische Klassiker mit Furigana
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シグナルとシグナレス
セロ弾きのゴーシュ
Lesen Sie セロ弾きのゴーシュ (シグナルとシグナレス) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.296 Zeichen · 32 Bildschirme
どうか僕を愛してください」
シグナレスは、じっと下の方を見て黙って立っていました。本線シグナルつきのせいの低い電信柱は、まだでたらめの歌をやっています。
「ゴゴンゴーゴー、
やまのいわやで、
熊が火をたき、
あまりけむくて、
ほらを逃げ出す。ゴゴンゴー、
田螺はのろのろ。
うう、田螺はのろのろ。
田螺のしゃっぽは、
羅紗の上等、ゴゴンゴーゴー」
本線のシグナルはせっかちでしたから、シグナレスの返事のないのに、まるであわててしまいました。
「シグナレスさん、あなたはお返事をしてくださらないんですか。ああ僕はもうまるでくらやみだ。目の前がまるでまっ黒な淵のようだ。ああ雷が落ちて来て、一ぺんに僕のからだをくだけ。足もとから噴火が起こって、僕を空の遠くにほうりなげろ。もうなにもかもみんなおしまいだ。雷が落ちて来て一ぺんに僕のからだを砕け。足もと……」
「いや若様、雷が参りました節は手前一身におんわざわいをちょうだいいたします。どうかご安心をねがいとう存じます」
シグナルつきの電信柱が、いつかでたらめの歌をやめて、頭の上のはりがねの槍をぴんと立てながら眼をパチパチさせていました。