Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Lesen Sie ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.567 Zeichen · 212 Bildschirme
たとえ自分の内に、この要求のなお生温くまた深刻でないことを罵る声が絶えないにしても、自分は前よりは一歩深く生活にはいって行ったように感ずる。かつて自分が我を斥けようと努力した時代に比べれば、他動が自動に変わったという意味で全く違った心持ちである。
けれども自分はなお依然として我によって動いている。二、三の特殊の場合のほかは、人に対してまず我が出る。これは主我の傾向が根本的のものであり、我を否定しようとする要求があとより附け加えられたものであるからだとは思わない。自分にはまだすべての人の内の「人間」を愛するだけの力がない。人から我を以て迫られた時に、自分もまた我を以て迎えなければ腹の虫が承知しないほど自分にはまだ愛が足りない。自分の愛は二、三の特殊の場合をようやく支えるに足りるほどである。
それ故に自分は醜くまた弱い自分を絶えず眼の前に見ている。自分の我を以て常に人の弱所を突こうとしている卑しい自分を絶えず見まもっている。後悔が鋭く胸を刺すことも稀ではない。自分の醜さに堪えられぬほどの恥ずかしさを感ずることも稀ではない。悔いなきことを誇りとしたのは、もう過ぎ去った事である。