Japanische Klassiker mit Furigana
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『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Lesen Sie ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.567 Zeichen · 212 Bildschirme
自分が我を以て打ち勝とうとしまた打ち克ったつもりでいた事は、皆嘘であった。表面では自分が勝ったようになっていても、相手の我はむしろ自分を憎悪し嫌厭していた。明らかに自分の方が強く優れている場合でも決して尊敬はされていなかった。特に相手が、嘘をつくことの平気な、媚を以て男に対しようとするような女である場合に、その事実は明らかであった。これに反して自分が最も我の少ない虚心な態度で交わっている人には、本当の自分が最も明らかに活らき掛けていた。
自分はすべての人と妥協した平和な状態を望んでいるのではない。個性は最高の権威を持ち、争闘は人性の根本に横たわっている。しかし人々が皆我を滅して、しみじみした涙を流し、お互いに「人間」として心と心とを触れ合わせるというような状態になると、個性はその特殊を厳密に保持しながら相互に融け合い、争闘は我の偏狭を脱して人性進化のために愛の光の内に行われる。偉大なる者への屈従は歓喜を以て迎えられ、弱小を征服することは大いなる愛の力を以てせられる。ここに偉大なる者の偉大なるゆえんは最も明らかにせられる。そうして弱小なる者の生活が人性の上に持っている意義もまた明瞭になる。