Japanische Klassiker mit Furigana
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『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Lesen Sie ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.567 Zeichen · 212 Bildschirme
――とても、とても。私は心から静かな大きい死を望む。殉教者のように自信のある落ちついた死を。もし「死」という厳粛な問題の前にさえも、今夜の出来事のようにふるまうとすれば、私は自分を何と言って軽蔑していいかわからない。――けれども果たして私はその軽蔑に価するふるまいをしないだろうか。それほど私の腹は死に対しても据わっているだろうか。私にはそれほどの自信があるのか。
今夜これから汽車にのる。その汽車に何か椿事が起こって私が重傷を負わないものでもない。もし私が担ぎ込まれた病院で医者に絶望されながら床の上に横たわるとしたら、そうして夜明けまで持つかどうか危ないとしたら、私はどうするだろう。逢いたい人々にも恐らく逢えまい。整理しておきたい事も今さらいかんともしようがない。自分の生涯や仕事について心残りの多いのは言うまでもない事だ。それでも私は静かに死ねるだろうか。黙って運命に頭を下げる事ができるだろうか。――
私はこうして自分を押しつめてみた。そうして自分にまるで死ぬつもりのないことを発見した。「今死んではたまらない。しかしたぶん自分は永生きするだろう。」