Japanische Klassiker mit Furigana
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『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Lesen Sie ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.567 Zeichen · 212 Bildschirme
さらにまた真理の宝蔵のように大地を圧する殿堂がある。それは人の心を甚深なる実在の奥秘に引き寄せながら、しかも恐怖を追い払う強大な力を印象する。そこには線の太い力の執拗な格闘がある。しかしすべての争闘は結局雄大な調和の内に融け込んでいる。それは相戦う力が完全な権衡に達した時の崇高な静寂である。尽くることなき力を人の心に暗示する深い沈黙である。そうして、この簡素な太い力の間を縫う細やかな曲線と色との豊富微妙な伴奏は、荘厳に圧せられた人の心に優しいしめやかな手を触れる。――
もとより我々の祖先は、右のごとき感じかたをしたわけではあるまい。しかし彼らはとにかくその漠然たる無意識の内に、右のごとき建築の美を感じないではいられなかったであろう。そうして身震いの出るような烈しい感動の内に、ただただその素朴な頭を下げたことであろう。しかもこの際彼らの意識に上る唯一のものは、三宝を尊奉するという漠然たる敬虔の念であったに相違ない。彼らの知っているのは、ただ新しく彼らに襲来した「仏教」がかくのごとき信仰を彼らにもたらした、ということだけだからである。かくて彼らはその感動の烈しさのゆえに、初めて偉大なる生活に対する眼を開かれ、初めて真に尊崇すべきものに出逢ったような心持ちを味わったことであろう。