Japanische Klassiker mit Furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Lesen Sie ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) von 牧野 信一 (まきのしんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.321 Zeichen · 54 Bildschirme
――まあ一杯、まあ一杯と無理矢理に二人をとらえて仲間に入れたが、彼らのいうことがいちいち私たちの癇にさわった。「そんなのなら、ええ、もう、好うござんす、品物は持って帰りましょう。難癖をつけられる覚えはないんですもの。」
御面師は包みを直して幾度も立上ったが、忠吉と金蔵が巧みになだめた。
「田舎の人は、ほんとうに人が悪い。うっかりいうことなどを信じられやしない。」
私もそんなことをいった。
「そ、それが、お前さんの災難のもとだよ。折角人のいうことに角を立てて、むずかしい理窟を喰っつけたがる。もともと、お前さんが狙われ、水流さんにまで鉾先が向いて来たというのは、お前さんのその短気な大風が祟ったということを考えてもらわなければならんのだが、今が今どう性根を入れ換えてくれという話じゃない。人のいうことを好く聞いてもらいたいというものだ――俺たちは今、村の者でもないお前さんたちが担がれては気の毒だと思って、対策を講じているところなんじゃないか。」
杉十郎がこんこんと諭しはじめるので私たちも腰を据えたが、彼らのいうことはどうもうかうかとは信ぜられぬのであった。その話を聴くと、私たちばかりが、矢面の犠牲者と見えたが、柳下父子を初めとして、法螺忠や金蔵の悪評は、桜の時分に此処に私たちが現われると直ぐにも聞いたはなしで、彼ら