Japanische Klassiker mit Furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Lesen Sie ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) von 牧野 信一 (まきのしんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.321 Zeichen · 54 Bildschirme
が夜歩きや踊り見物に現われるのを見出す者はなかった。
「僕たちとしたって、もしもここの青年だったら、やはり彼らを狙うだろうな。」
「それあ、もう誰にしろ当然で、私なら先ず最初に法螺忠を――」
「彼らは自分たちが狙われているのを秘そうとして、俺などを巻添えにするようだよ。どう考えても俺は自分が彼らより先に担がれようなどとは思われないよ。」
「無論その通りですとも。奴らのいうことなんて気にすることはありませんさ。」
私と御面師は、そんなことを話合い、むしろ万豊やJ氏が先に難を蒙ったのを不思議としたこともあった。
私は、囲炉裏のまわりに、偶然にも容疑者ばかりが集ったのを、改めて見廻した。そして、人の反感や憎念をあがなう人物というものは、その行為や人格を別にして、外形を一瞥したのみで、直に堪らぬ厭味を覚えさせられるものだとおもった。人の通有性などというものは平凡で、そして的確だ。私にしろ、もしも凡ての村人を一列にならべて、その中から全く理由もなく「憎むべき人物」を指摘せよと命ぜられたならば、やはりこれらの者どもと、そして万豊とJを選んだであろうと思われた。
杉十郎と松は父子のくせに、まるで仲間同志の口をきき合い、折りに触れては互いにひそひそと耳打ちを交して点頭いたり冷笑を浮べてどうかすると互いの肩を打つ真似をした。