Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.520 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

それからもし新聞があれば、その上をべたべたと歩き廻って沢山の足跡をつける。気が向けば声をふるわして歌を二つ三つ歌う。あとはたいてい昼寝をなさるとか油虫をつかまえるとか、そんな工合に万事もの優しく上品に一日を送られる。

ところが、どういう次第かこのリルの村へ着いてからなんとなくそわそわと落ち着かなくなって、大きな声で笑ったかと思うと、急に顔をしかめて黙り込んだり、枕を投げ出したり、またそれを胸に抱きしめて見たり、窓のそばに花を飾ったり、目に涙をいっぱい溜めて溜息をしたり、このごろは曲芸にもあまり身がはいらなくて、お辞儀をすべき場合に筋斗などを打つというわけで、どうも気もそぞろな様子なんである。その朝もタヌが、

「さ、みっちゃんや、鰯の頭をむしってあげようね」といったら、それが気にさわったものか、プイと立って行って、壁の方を向いて坐ったまま夕方までしくしく泣いているのである。これは多分どこか工合が悪くなったのに違いない。バルトリは、気候のせいだろう、というと、コン吉は、いや不眠症のせいだろう、という工合に意見がまちまちで結局一向にその原因というものを突き止めることができなかった。