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Japanische Klassiker mit Furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.520 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、その夕方、ミミイ嬢は好物の泥鰌の頭を喰べかけたまま、シルクハットをヒョイと頭に載せて戸外へ出かけたまま、小屋の開場になっても帰って来ないので、三人で手分けして村のはずれまで探し歩いても見つからず、落胆しながらもどって来ると、つい隣りの見世物小屋の前に立て掛けられた絵看板、――つまり風船を鼻の先であしらって曲芸をしているたくましい膃肭獣の絵姿の胸のところに頭をもたらせ、陶然と坐っているミミイ嬢を発見したのである。

六、巴里ではもうそろそろ新しい学期が始まる。コン吉もタヌも修業の道は違うが、おのおのとある学校の片隅に席を置く身分である。ミミイ嬢には気の毒だが、もう長々と交際っているわけにはゆかない。そこでこれから顛末は筋だけを追って話すことにする。

さてその次の日から、この村にはひんぴんと不可思議な盗難が起きた。生魚の類、パン菓子などがひんぴんとして盗まれるのである。いろいろタヌキ探偵が名智をしぼって追究した結果、被害の家の廻りが必ずしっとりと湿っているのである。そのうえある魚屋の店先には見覚えのあるシルクハットが遺留されてあった。犯人はつまりミミイ嬢なのである。