Japanische Klassiker mit Furigana
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ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.520 Zeichen · 13 Bildschirme
て、その途中馬から河の中へ落ちて溺死してしまったのよ。屍は泣く泣くモンパルナッスの墓地に葬ったのですが、毎年春先きになると、燕尾服を着たペンギン鳥が一匹ずつ生え出して来るんだよ。ここへ連れて来たのはちょうど今年の春芽を出した奴で、花ならばまだほんの莟みたいなようなもんだけど、利口なことにかけたら、先祖のパタシヨン・パタポンなんか足もとへも及ばないぐらいなのよ。ラテン語でも哲学でも自由自在にあやつって、真面目な顔をして人をやり込める様子なんか、まるで大学の先生みたいなんだ。オートバイに乗る、テニスをやる、このごろは猟犬に凝って、ポインターやセッターを飼って毎日蚤を取ってやっているんだよ。気ぐらいの高いことはまるで公爵のお嬢さまみたいで、このハンカチの刺繍が気に入らないの、こんな音楽じゃ踊れないなんて駄々をこねてばかりいるんだよ。昨日などもお風呂をつかっている最中にこの石鹸は臭いからいやだなんて、愚図り出して、そこらじゅう水だらけにして跳ね廻ったあげく、腹を立ててすっかりその石鹸を喰べてしまったのよ。もっとも、気嫌のいい時はピアノを弾いたり、天井に足で字を書いたり、ぞっとするような見事な軽業をして見せることもあるのよ、どうですか諸君、素晴らしいって、こんな素晴らしいペンギン鳥が他にもう一羽いるというなら、本当に