Japanische Klassiker mit Furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme
そこは暗い空地で、板片や縄きれが散乱し、あるきにくい場所ではあったが、黒く淀んだ水溜りのかすかな反射が、彼の眼にとどまらなかった訳はなかったのだ。空地に足を踏み入れるとき、彼の気持はたしかに酔いにこじれて、ひどく荒れていた。店で酒を飲んでいる間、ずっと三元の話だけしていて、そして少しばかりそのことで中山と言い合ったりもしたのだ。
「三元があんなことをやったのも、もともと君の影響だよ」
中山はそんなことを押しつけがましく彼に何度も言ったのだ。そればかりにこだわっているような言い方で。中山も相当酔っている風であった。
「こんな時代だから、強盗やってもいいんだと、三元に教えたのは君だろう」
「そんなことがあるものか」と彼はひたすら抗弁した。「そんな莫迦げたことを、僕が言うわけはない。言ったとしても、三元が真に受けるものか」
「そら、言ったんだろ。言わなくても、暗示ぐらいはしただろう。そしてあいつは可哀そうにやっちまった。やっちまったから、あいつの負けさ」
中山は眼をきらきらさせて、そんな事も言った。三元の犯罪事件の後始末を相談するために会ったのに、後始末の話はほとんど出ず、なぜ三元があんなことを仕出かしたのかという問題を、堂々めぐりするだけであった。