Japanische Klassiker mit Furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme
ふしぎに思ってわけを聞いてみると、向うでナスビと言えばこれで、丸っこいのは特別に巾着ナスと言うのだそうです。関東では丸っこいのが普通で、長いのを長ナスと呼ぶでしょう。つまりその反対ですな。考えの基本が違う。
近頃の子供(または半大人)は、この九州のキュウリやナスに似ているような気がします。こちらの食慾や理解を頑強に拒否するようなものを、たしかに持っている。何に由来するのか、ぼくはよく判らない。特に判りたいとも思わない。
その子の名前は、平和と言うのです。平和と言うからには、終戦後に生れたのに違いありません。何が何でも勝ち抜くぞの時代に、自分の子供に平和なんて名がつけられる筈はないですからねえ。
平和君の声は、ぼくは前から聞いていました。私の斜めうしろの家に、亀田さんという家があります。そこへ二日に一度、三日に一度ぐらい、少年の声が遊びにやって来る。
「亀田クーン」
「亀田クーン」
亀田家に到る小路の、ドブすれすれにぼくの画室は建っている。けれどその路に面したところは、一面の板壁になっていて、明り取りが上の方に小さくついているだけで、ぼくの方からは全然見えない。