Japanische Klassiker mit Furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme
むしゃむしゃ食べている僕を、野呂は慈善者の微笑をもってしずかに眺めていました。野呂が柄にもなくこんな微笑をうかべると、まったく嫌らしい感じです。
さてその翌日です。学校から帰宅して来た野呂が、真面目くさった表情で僕に訊ねて来ました。
「どうだい。出たかね?」
「え。何が?」と僕は反問した。
「じゃ、まだ出ないんだな」と野呂は仔細らしく合点々々しました。
「それならそれでもいいんだ」
「一体どうしたんだね。奥歯にもののはさまったような言い方をして――」
「いいんだよ。何でもないことだよ」
そして野呂はにやりと嫌らしく笑いました。それから翌日になり、昼間僕が便所に入っていると、どうも尻のあたりの感じがおかしい。汚ない話で恐れ入りますが、手をやってみると、何かマカロニ状のものがぶらんと尻からぶら下っているんです。びっくりしましたねえ。僕はしゃがんだまま十センチばかり飛び上った。
ここらはくわしく話すのもなんですから、簡略に申し上げますが、つまり僕の体内から蛔虫が出て来たんですな。それも一匹ではなく、大小取りまぜて数匹。すっかり排出し終って、半ば気味悪く半ばさっぱりして便所から出て来た時、僕は卒然として昨日の野呂の言葉を思い出した。