Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

「間借人は不破数馬に対してだ。僕は君から部屋を借りてる覚えはない。第一手紙を読んだとたんに、僕が買いましょうなんて、身勝手もはなはだしいじゃないか。いいか。手紙は二人宛てに来たんだぜ。二人で相談し合うのが当然だ」

「相談するって、何を?」

「先ず手紙の内容だよ。ずいぶんこちらをなめた話じゃないか。一方的に売却を宣言するなんてさ」

「そうかねえ。僕はそう思わないがねえ」

「買わなきゃ立退き料が一万円だとさ。バカにしてるとは思わないか」

「思わないねえ。だって立退くんじゃなくて、買うんだもの」

「ほんとに君は慾張りで身勝手のくせに蒙昧な男だなあ。だからバカにされるんだよ」

「誰が僕をバカにした?」

「陳だってそうさ。それに不破だって――」

「なに。不破がいつ僕をバカにした?」

「バカにしてるさ。あたりまえじゃないか。不破の置手紙を見せてやろうか」

僕は僕の机にしまっていた不破数馬の置手紙を出してつきつけてやりました。失踪の朝飯盒の上に乗せてあった『野呂君と仲良くしてやって呉れ給え。彼はしんからの好人物であります』という紙片です。野呂はそれを読み終って、きょとんとした顔で僕を見ました。