Japanische Klassiker mit Furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme
督促状じゃ仕方がありません。そこで僕は渋々自分の財布を取出して、勘定の決着をつけました。そしてひとりで帰ろうとすると、この伸びた男も連れて帰れと女中が強硬に言い張るものですから、余儀なく不破をひっかつぐようにしてハシゴ段を降りた。降りて外に出ると、不破はすこし正気を取戻したようで、自分を送りがてら家に泊りに来いと言う。時刻からみて八王子行きの終電は出たあとらしいし、僕も少々酔ってどうでもいいような気分になっていたし、即座に不破の家に泊りに行くことに決め、タクシーを呼びとめました。不破の家は京王線の代田橋駅の近くにあるのです。僕らを乗せた小型タクシーは、たんたんたる月明の甲州街道をひた走りに走り、とある横丁に折れて一町ばかり行き、そして不破家の門前で停止しました。そのタクシー代も僕が支払いました。この不破家が現在僕が居住しているところの家なのですが、夜のことではあるし、またさんさんたる月光の下では、そんなボロ家屋には見えず、結構ひとかどの邸宅に見えましたな。門を叩くとやがてごとごとと寝巻姿の不破夫人が出て来た。どうも夫人の方が不破より年長のようで、不破を四十ぐらいとすると、夫人は四十五歳ぐらいに見えました。