Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しこんぞめについて

ポラーノの広場

宮沢 賢治

Lesen Sie ポラーノの広場 (しこんぞめについて) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.934 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

おっかさん。」タネリは陸の方へ遁げながら一生けん命叫びました。すると犬神はまるでこわい顔をして口をぱくぱくうごかしました。もうまるでタネリは食われてしまったように思ったのです。「小僧、来い。いまおれのとこのちょうざめの家に下男がなくて困っているとこだ。ごち走してやるから来い。」云ったかと思うとタネリはもうしっかり犬神に両足をつかまれてちょぼんと立ち、陸地はずんずんうしろの方へ行ってしまって自分は青いくらい波の上を走って行くのでした。その遠ざかって行く陸地に小さな人の影が五つ六つうごき一人は両手を高くあげてまるで気違いのように叫びながら渚をかけまわっているのでした。

「おっかさん。もうさよなら。」タネリも高く叫びました。すると犬神はぎゅっとタネリの足を強く握って「ほざくな小僧、いるかの子がびっくりしてるじゃないか。」と云ったかと思うとぽっとあたりが青ぐらくなりました。「ああおいらはもういるかの子なんぞの機嫌を考えなければならないようになったのか。」タネリはほんとうに涙をこぼしました。

そのときいきなりタネリは犬神の手から砂へ投げつけられました。肩をひどく打ってタネリが起きあがって見ましたらそこはもう海の底で上の方は青く明くただ一とこお日さまのあるところらしく白くぼんやり光っていました。