Japanische Klassiker mit Furigana
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マリア・バシュキルツェフのにっき
マリア・バシュキルツェフの日記
宮本 百合子
Lesen Sie マリア・バシュキルツェフの日記 (マリア・バシュキルツェフのにっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.569 Zeichen · 24 Bildschirme
暑い日に、愛らしく溌剌とした若い娘たちが樹かげにかたまって立って、しきりに何か飲みたがっている。ああ、これはどうかしらんといって、樹かげの見捨てられた古屋台の中から、すっかり気がぬけて、腐っている色付ミカン水の瓶をひっぱり出して来て、それを分けて飲もうとしているとき、もし、傍に人がいて、五六間先の岩の間に本当の清水がこんこんと湧き出しているのを知っているとしたら、その人は娘さんたちに向って何というだろう。一寸一寸、そんなくさったまがいものはおやめなさいよ。そこに清水があるのよ。そこへ口をつけてたっぷり喉のかわきをおなおしなさい。そういわずにはいられないにきまっている。
私はこの間「恋人の日記」という映画を見て、全くそういう心持から、声が出そうになった。ああ皆さん、これは、随分こしらえものだし、まがいものです。本当の「マリア・バシュキルツェフの日記」はここにあります。これこそ、かえりみるべき価値をもっている。若い女性の生活を何かの意味で教え豊かにするものを含んでいる。容赦のない現実を生きた痛切な一少女の吐露があります。
ヘルマン・コステルリッツという映画監督も、脚色者ヨアキムソンも、「恋人の日記」