Japanische Klassiker mit Furigana
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マリア・バシュキルツェフのにっき
マリア・バシュキルツェフの日記
宮本 百合子
Lesen Sie マリア・バシュキルツェフの日記 (マリア・バシュキルツェフのにっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.569 Zeichen · 24 Bildschirme
ついにマリアが立てなくなるまで、二人のほかには母さえもマリアがそんな重い病にとりつかれていたとは知らなかった。マリアは、絵の仕事がしたい。その為に、病気を知れば母がスケッチのための外出さえやめさせるであろう。すっかり病人扱いにし、涙でぬらし甘やかすだろう。それではマリアとして、どうせ短かい自分の命の価値を、自分が満足するようにつかうことさえできなくなる。それで病をかくした。その上、花のような容貌をしながら二十歳のマリアはすでに結核性の聾になりはじめていた。その恐ろしい事実を彼女はどれ程の緊張でひとからかくしたろう。いくたびか巴里のあっちこっちの医者へその治療のために通ったかもしれないのである。
「恋人の日記」では、この人生でマリアの最も厭がった拵えものの筋が椿姫まがいに運ばれている。そしてついにマリアは、実は彼女の絵の教師が貰ったサロンの金牌を、彼女へおくられたものとして持って来るモウパッサンの愛の偽りに飾られて死ぬのだが、決して、マリアが自分の最後に面した現実はこんな水っぽい、甘いものではなかった。彼女の傑作「出あい」はサロンで二等になったにもかかわらず、若い娘の作品にしては立派すぎる、非常によいことが却ってさまざまな中傷を産んで、当然として周囲からも期待されていた金牌は、第三位の永年サロンに出品している