Japanische Klassiker mit Furigana
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リラのてがみ
リラの手紙
豊田 三郎
Lesen Sie リラの手紙 (リラのてがみ) von 豊田 三郎 (とよださぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.702 Zeichen · 30 Bildschirme
あ無理よ、と髪をかき出した。
ある夜久能は、死にたい、青江にも死んで呉れといった。青江の眼は動かなかった。僕はこんな信じ切れない状態で生きていたくなくなっている。自分の果したい仕事も開けて来ないし、この世に信じられるものは一つもない、青江が一緒に死んでくれて、彼女だけは信じさせてくれと、久能は青江の両手を抱いていった。そう? うん、判ったわ、と青江はしまいにいった。あたしもあなたを本当に気の毒に思っていてよ、急にそんな事いい出したの判るわ、だけど、それはあなたの本心じゃないんじゃない? あなたは未だ未だ将来を考えてるわ、あたしと結婚したくないんだって、そのためだわ。久能は青江のいう通りだ。こんな事で死んで了っては余りに他愛なさすぎる、俺には逞しい慾望がない訳では決してないのだ、と思いながら、どうしても自殺する決心だときかなかった。すると青江は、きっとあたしを脅かして何かいわせたいためなんでしょ? あたしに罠をかけてるんでしょ? そんなことされちゃ、あたしは意地になるだけだわ、いいえ、あたしにうしろ昏いとこあるからじゃない、意地でなら、一緒に死んであげてよ、あたしが潔白なことあなたに見せるためなら、だけど、あたし、それじゃあなたの他人になって死ぬのね、といった。